江戸幕府の5代将軍は徳川綱吉です。そして綱吉の頃の時代を元禄時代と呼び、その時期の文化を元禄文化と呼びます。元禄文化の特徴を考える際に忘れてはいけないことと言えば、3代将軍徳川家光により行われた鎖国です。これにより外国の文化はほとんど影響を受けなくなりましたので、元禄文化は日本独自の文化ということがポイントになります。
まず、1603年に徳川家康によって江戸幕府は開かれましたが、家光の時に大名に参勤交代を課したことも影響して交通や産業が飛躍的に発展していくことになりました。このような時代に5代将軍となったのが徳川綱吉です。
元禄時代は、はなやかな文化がさかんになる一方で、実は江戸幕府の財政は徐々に苦しくなっていく時期でもありました。そんな中で徳川綱吉が制定した有名なことと言えば、生類憐みの令です。徳川綱吉は極端に犬を愛護するようになったのです。非常に悪法としても名高いです。
江戸幕府は江戸にあったのですが、元禄文化は京都や大阪などが主の上方文化とも呼ばれています。鎖国をしていましたので、諸外国の文化をあまり受けない日本固有の文化が多く発展していたことも注目です。
元禄時代お有名な歌人といえば誰もがご存知の松尾芭蕉です。奥の細道が有名です。浮世草子で有名な井原西鶴や、曽根崎心中の近松門左衛門などもこの頃の人物です。
大和絵では、俵屋宗達の風神雷神図屏風、浮世絵では菱川師宣の見返り美人図などが有名です。非常に日本的な絵画が主軸になっていることがよく分かります。
徳川綱吉という人物を理解するうえで忘れてはいけない側面が、学問にも熱心であったということです。悪名高い生類憐みの令の印象が強いですが、その一方で儒学といった学問を重んじるという一面があったということは知っておくといいでしょう。
このように徳川綱吉が儒学を重んじたことにも起因して、元禄時代には有名な人物も現れるようになりました。朱子学では、林羅山・木下順庵・新井白石などが有名ですし、陽明学では熊沢蕃山などが有名です。