聖武天皇は仏教を重んじていました

奈良時代の天皇のなかでも重要度が高いのが聖武天皇です。聖武天皇のことについて少しポイントを整理しながら学んでいくことがいいと思います。

まず、聖武天皇の時代背景ですが、①藤原広嗣の乱などで少し政情に不安の多い時期であったこと、②病などが流行していて人々の生活の間でもさらに不安を感じることが多かったことをしっかりと理解することが大切です。

このような時期を生きた天皇なのですが、都を平城京から短期間で転々としたりもしています。

聖武天皇はこのような時代ということもあり、非常に仏教を重んじていました。もともと、当時の日本は中国との関わりを抜きにしては語れません。当時は遣唐使を派遣して、唐の文化や考えなどを鳥れることに積極的な時代でもありました。

そもそも仏教も中国から伝わっていますので、この時代の不安な状況の中で聖武天皇が仏教の力によって世の中を導いていこうとしていた様子を想像することが出来ます。

聖武天皇は全国に国分寺と国分尼寺を建てたことでも有名です

聖武天皇は仏教の力で世の中を導いていこうとしていましたが、その代表的な行動が全国に国分寺や国分尼寺を建てたということです。ちなみに国分寺や国分尼寺は、全国の国ごとにつくられています。いかに聖武天皇が日本全国に仏教を広めようと努力をしていた様子をうかがい知ることが出来ます。

そして、そう国分寺として奈良に建てた有名な建造物と言えば東大寺です。平城京の北東に位置しています。東大寺も非常に重要な歴史的建造物ですので、しっかりと聖武天皇との関連を意識しながら学んでいくことが大切です。東大寺は総国分寺としても名が通っています。

東大寺には有名な大仏があります。高さが約１６ｍもありますので、間近で見るとその存在感に感銘を受けるほどです。聖武天皇が仏教にいかに思いを込めていたのかを想像してみると感慨深いものを感じ取ることが出来ます。

そして、東大寺には正倉院という歴史的な建造物があります。もともとは光明皇后が聖武天皇の遺品を収める倉庫として建てたと言われています。

そして、この正倉院に収められている物の多くは、当時のペルシャやインドなど諸外国の影響を受けた工芸品が多く存在します。このような工芸品を見るだけで、いかに当時の日本が中国を経由して世界の文化の影響を受けていたのかを感じ取ることが出来ます。